ポッドキャスト:教育の未来

著者インタビュー:Rupert Maclean教授に聞く

教育・学校教育はこれまでも注目度の高いトピックでしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が教育・学校教育に重大な影響を及ぼしていることから、関心はさらに高まっています。例えば、感染症の拡大を受け、多くの国で学校が閉鎖されました。その結果、授業を受けられず、親や家族による自宅教育への切り替えを余儀なくされた子どもたちに関して深刻な懸念が提起されています。考えられる影響については、現在、幅広い議論と研究が展開されています。

国連の報告によると、コロナ禍の前から、世界には約5,800万人の子どもたちが教育を受Rupert Maclean 350x233けられないでいることを忘れてはなりません。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、包括的な教育機会を提供し、断固とした改革を推進することで、世界の意識を変え、平和の実現に寄与することを目指す組織です。Rupert Maclean教授は、オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT大学)教育学部の非常勤教授であり、香港とマレーシアでも教鞭を執っており、また教育者として20年に及ぶキャリアの大部分を、パリ、ボン、ヤンゴン、バンコクのユネスコ事務所で過ごしました。Maclean教授によれば、ユネスコがその教育プログラム全体を通じて重視していることの1つは、開発のための教育改革です。「教育・学校教育の強化と向上に関する状況を改善するために、どのようなイノベーションを導入できるでしょうか」とMaclean教授は問いかけます。


専攻分野を決定するとき、その分野の教育を受けることで、どのようなキャリアが開かれる可能性があるか、これは学生にとって重要な判断材料となります。多くの大学が、めまぐるしく変化し進化し続ける、予測のつかない就職市場に対応できる学生を育てる方法に頭を悩ませています。こうしたプレッシャーは各校の教育課程にどのような影響を与えているのでしょうか。Maclean教授は、慎重な対応が必要だと指摘します。就職のことばかりに気をとられると、「教育とは、仕事に備えるためだけの場ではなく、有意義な人生を送るための準備を整える場である」ことが忘れられてしまう恐れがあるからです。Maclean教授は、教育は学生が単なる労働力としてではなく、もっと包括的な形で、より良い社会の実現に貢献できるものであるべきだと考えています。しかし何を学ぶか、どのような種類の高等教育を受けるかという問題には、単に職業選択の問題だけではありません。キャリア以外の要素も関わってきます。その一つが経済力です。多くの国では高等教育費は上昇し、教育を受ける機会の不平等が顕在化しています。


もう一つの問題は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が世界に突きつけている大きな変化です。多くの人が不安にとらわれ、いつ元の生活に戻ることができるのかと考えていますが、この状況がいつまで続くのか、教育や経済にどのような影響を与えるかはまだわかっていません。Maclean教授は、コロナ危機は21世紀に求められるスキル、雇用者が求めるスキルを身につける方法を大きく変えると見ています。社会的、経済的、教育的不平等を緩和するために、現在の教育制度は見直す必要があるとMaclean教授は指摘します。「私たちがしなければならないのは、状況を分析し、起こりつつある緊張状態に対処する方法を考え、生活の質を損なうのではなく、人間性を高める変化を生み出していくことです」と、Maclean教授は訴えます。この経験がどのような教訓をもたらし、社会の未来にどのような影響を与えるかについては、今後明らかになっていくでしょう。.


このテーマに関心のある方は、以下のポッドキャストシリーズをお聞きください。Rupert Maclean教授がこの混乱した時代の教育における主要な動向、雇用と生涯学習のための能力開発の重要性、教育への公平なアクセス、現在の世界的なコロナ危機が教育に与える影響、21世紀にふさわしい労働力の構築について語ります。

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Maclean教授の主な著書:いずれもイーブック・コレクションの教育学分野に収載されています。


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