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[プレスリリース] 日本の研究成果発表数の減少は依然続くが、国際連携が拡大

日本からの世界的な研究業績は減少し続けているものの、国を越えた共同研究の数が増加していることが、「Nature Index 2019 Japan」から明らかに。

ロンドン | ニューヨーク | 東京  2019年3月20日

Nature Indexの最新の分析から、日本からの高品質な科学成果の発表が2012年1月から2018年10月の約7年間で19.9%減少したことが分かりました。しかしながら、この状況を打開するための策の1つである国際共同研究への取り組みの成果が表われています。2014年以降、Nature Index収録ジャーナルへの日本の研究機関からの論文で、他国の共著者を含むものの割合は、46%から56%に増加しました。

Nature 2019年3月20日号の特別企画冊子「Nature Index 2019 Japan 」では、国際共同研究が日本からの高品質な科学成果の発表を押し上げる上で果たす役割について述べ、海外の研究者が日本を魅力的な研究環境として捉えるようになるために必要な大きな変化について概説しています。

この特別企画冊子冒頭の概説記事では、日本が、国際共同研究を取り入れて大学が変革することで、自国の科学研究業績をいかに押し上げるようとしているかを紹介しています。さらに別の記事では、海外と非常に強いつながりを持つ6人の研究者が、世界の研究の日本への取り入れ方や、日本の研究の世界への持っていき方について述べています。

Nature Indexの創設者であるDavid Swinbanksは次のように述べています。 「日本の学術界、政府、科学政策立案者は数十年にわたって、日本の科学を国際化する必要性について話し合ってきました。日本の高品質な研究成果発表数は減少し続けていますが、近年、研究の国際化に向けて前進していることに期待が持てます。」

さらにこの特別企画冊子には、より多くの女性がリーダーや主任研究者になる機会をつかむべきと呼び掛ける、日本の科学をけん引する女性研究者2名のインタビュー記事や、産学連携に関して、日本でベンチャー企業を立ち上げた研究者が2つの業界を密接に連携させる上での障壁について述べた記事が掲載されています。

「Nature Index 2019 Japan」は、natureindex.comに収集されているデータに基づいており、2012年1月1日から2018年10月31日の間に発表された論文が対象となっています。2018年の表およびグラフは、2018年10月31日を起点とした直近12カ月のデータを基に算出されています。

Nature Indexに関する詳しい情報と国や機関の全一覧については、natureindex.comをご覧ください。

Nature Indexについて

2014年11月に初公開されたNature Indexのデータベースは、現役科学者からなる独立したパネルが選定した、82誌の自然科学系学術ジャーナルから出版される研究論文の著者の所属機関を記録しています。

直近12カ月のNature Indexデータが、natureindex.comにて、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で公開されています。これにより、世界150カ国の8500以上の機関から出され、それらの機関同士の共同研究による最新の研究成果を分析することができます。同ウェブサイトでは、特定の研究機関から直近12カ月間に出版された論文情報を主題別に整理された形で閲覧することができます。各機関の国際的・国内的な共同研究に関する情報も入手できます。データは、シュプリンガー・ネイチャーによって収集されています。

Nature Indexでは、研究成果発表数および連携の指標として以下の種類のカウント法を採用しています:

・Article count(AC)– 論文において、ある国ないし機関から1人でも著者として名前が挙げられていれば、その国ないし機関の論文1点(ACを1)として数える計算方法。その論文に著者が1人しかいなくても、100人の著者がいても、それぞれの著者の所属国(または機関)において論文1点として数えられることになるため、同じ1本の論文が、複数の国(または機関)においてACとして数えられることを意味します。

・Fractional count(FC)– FCは、ある論文に対する各共著者の相対的貢献度を考慮に入れる方法。論文1本につき最大FCは1.0です。この1点分を、共著者全員が等しく貢献したという仮定のもと、共著者間で等しく分けます。例えば、10人の共著者がいる論文の場合、各共著者はそれぞれ0.1分のFCを割り振られることになります。

・Multilateral collaboration score (MCS) – MCSは、複数の機関の共同研究の指標であり、1つの機関もしくは、複数の機関グループに対して算出することが可能です。各論文において、共同研究機関の数を考慮しているため、複数の機関の点数を足すことができます。論文1本につき最大FCは、1.0です。

・Bilateral collaboration score (CS) – CSは、2つの機関(A + B)に所属する各著者が貢献した論文における各自のFCの合計です。2機関連携は、Nature Indexにおいて追跡されているジャーナルに少なくなくても1つの論文を任意の2機関あるいは、国・地域間で共著しているものを示します。

ネイチャー・リサーチについて

ネイチャー・リサーチは、生命科学・物理学・化学・応用科学など多岐にわたる分野で高品質のジャーナル、オンラインデータベース、研究者を対象としたサービスなど、科学界への貢献を目的としたサービスから成るポートフォリオを提供しています。

1869年創刊の Nature は、世界有数の週刊の国際科学雑誌です。さらに、ネイチャー・リサーチ、定期購読用のさまざまなNatureブランドのジャーナルをはじめ、さらには、オープンアクセスの主要な学際的ジャーナルである Nature Communications、Scientific Reports などのオープンアクセスジャーナル、研究機関と学会の協力による Nature Partner Journals も出版しています。

オンラインの nature.com には、1カ月当たり900万人を超えるユーザーが訪れ、Nature のニュース記事やコメント記事、そしてNature Careersなどの科学求人サイトにアクセスしています。また、ネイチャー・リサーチは、オンラインおよび対面によるトレーニングや専門家による英文校正サービスなど、さまざまな研究者支援サービスも提供しています。

詳しい情報については、nature.com をご覧いただき、@nresearchnews のフォローをお願いいたします。ネイチャー・リサーチはシュプリンガー・ネイチャーの一部です。

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シュプリンガー・ネイチャーは、研究、教育、専門領域において世界をリードする出版社の1つです。革新的なプラットフォーム、製品、サービスを通じて、高品質なコンテンツを提供しています。シュプリンガー・ネイチャーのインプリント、書籍、ジャーナルなどのリソースは、世界中の何百万人ものユーザーに日々届いており、研究者、学生、教師、専門家による発見、学習、成果の達成を支援しています。当社の目的は、傘下のブランドを通じて研究・教育・専門コミュニティーを支援することです。その実現のために当社はこれらコミュニティーを最優先に考え、可能な限り最高水準のコンテンツとテクノロジーを提供し、これらコミュニティーの利益と社会全体のために出版の未来に尽力しています。詳しい情報は、springernature.com/group をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。

本件に関するお問い合わせ

宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コミュニケーションズ
Tel: +81 3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com

Elizabeth Hawkins
Springer Nature
Communications
Tel: +49 6221 487 8130
E-mail: elizabeth.hawkins@springernature.com

※ 本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。

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