ニュース / News

[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャー、ラテンアメリカとカナダにおいて初の転換契約を結び、米州のオープンアクセスを継続してサポート

Springer Nature logo

今回の新たな2件の転換契約は、米州におけるオープンアクセスへの機運と支援の高まりを示しており、当地域からの研究は世界に広がり、そのインパクトはさらに強くなります。

ロンドン|ニューヨーク 2022年2月8日 

シュプリンガー・ネイチャーは、米州におけるオープンリサーチの実現に向け、達成かつ持続可能な道を開く2件の転換契約に合意しました。これらの契約は、シュプリンガー・ネイチャーにとってカナダとコロンビアにおける初めての転換契約であり、2020年にカリフォルニア大学と締結した節目となる契約に続くものです。

  • カナダ初となる今回のFederal Science Libraries Network(FSLN)との転換契約 では、会員機関からの論文がOA(オープンアクセス)出版されることで、連邦の科学出版物を公に利用可能にするという、同国の「オープンサイエンスへのロードマップ」の達成に寄与することになります。本契約は、2022年1月に開始されます。
  • Consorcio Colombia との転換契約は、学術コミュニケーションを高め、コロンビアがあらゆる知識分野において科学的能力が高いことを世界に 示す 一歩となるでしょう。本契約は、2022年7月に開始されます。

両契約とも、シュプリンガー(Springer)、パルグレイブ(Palgrave)、およびエイディス(Adis)を含む、2,000誌以上を数えるシュプリンガー・ネイチャーのジャーナルにおけるOA出版を可能にします。

転換契約は、シュプリンガー・ネイチャーが研究成果をオープンにするための一つの方法に過ぎません。2021年12月、シュプリンガー・ネイチャーは、100万件の一次研究およびレビュー論文をゴールドOAで即時出版した初の学術出版社になりました。その結果、すべての学問分野にわたり、世界中の250万人近い著者による研究のOA化をサポートし、インパクト、利用、リーチの向上に貢献しています。

シュプリンガー・ネイチャーのChief Commercial OfficerであるCarolyn Honour(キャロリン・オナー)は、次のように述べています。

「転換契約は、OAへの持続可能な移行を進める重要な原動力であり、また、OAはオープンサイエンスへの重要な先駆けとなります。学術的な協力、発見可能性、有用性の強化を大規模に支援する研究機関および連邦政府機関は増加しており、引き続きこのような活動の促進に注力してまいります。カナダ、ラテンアメリカ、米国において転換契約が結ばれたことにより、ほかの国々の模範となる持続可能なモデルを構築できたことになり、オープンサイエンスの米州展開は確実に進むと思います。」

2014年に初の転換契約をオランダと交わしたシュプリンガー・ネイチャーは、現在17カ国との間で契約を締結しており、その中には、論文件数が世界最多であるドイツのProjekt DEALとの契約や、政府支援を受けたエジプトにおける初の国レベルの出版契約も含まれています。これらの転換契約をシュプリンガー・ネイチャーと締結している諸国では、著者の70%~90%がOA出版を行っていることが明らかになっています。 

シュプリンガー・ネイチャーの転換契約に関する詳細は、オープンアクセスの機関契約のページをご覧ください。また、オープンサイエンスへのコミットメントとその原則に関する詳細な情報は、Opening up researchのページをご覧ください。

オープンリサーチに関する基礎や用語解説(日本語)は、「オープンリサーチとは?基本コンセプトと取り組み」をご覧ください。

転換契約(TA:Transformative Agreement)について

定義:転換契約では、参加機関が、ジャーナル購読型(閲覧)アクセスとOA出版の費用(論文掲載料、APC:Article Processing Charge)を組み合わせられるようになっています。転換契約では、OAの費用と運営管理を行うだけでなく、著者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法も示しています。

解説:転換契約のもとでは、購読型アクセスとOA出版が、機関コンソーシアム全体で、1つの購読・出版契約にまとめられます。すなわち、当該コンソーシアムの参加機関の研究者は、「ゴールド」オープンアクセスモデルにもとづいて出版ができるだけでなく、購読型ジャーナルの論文にもアクセスできることになります。シュプリンガー・ネイチャーは、ほかの出版社に先駆けて、このような契約をオランダのVSNU(Vereniging van Universiteiten;オランダ大学協会)と2014年に初めて締結しました。この契約により、参加機関にとっても、所属研究者にとっても、OAの運営管理が容易になりました。さらに、より広範な研究者たちが、研究の発見性の向上、引用回数の増加、OAコンテンツの利用増加といった恩恵を享受できるようになり、OA資金が不足しているという問題をかかえる一部の研究領域では、その解決にもつながります(APCの一元管理により、参加機関に属する研究者なら誰でも、学術分野に関係なくOA出版が可能になります)。転換契約ではまた、研究者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法を示しています。シュプリンガー・ネイチャーは、オーストリア、オーストラリア、コロンビア、エジプト、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、イタリア、アイルランド、ノルウェー、オランダ、ポーランド、カタール、スイス、スペイン、スウェーデン、英国と国家レベルの転換契約を結んでいます。シュプリンガー・ネイチャーのOAおよびオープンリサーチに関する取り組みについては、OAファクトシートおよびオープンリサーチのページをご覧ください。

シュプリンガー・ネイチャーについて

シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャー・ポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。

Federal Science Libraries Networkについて

Federal Science Libraries Network (FSLN)は、カナダ政府部門の7つの科学図書館の提携であり、同図書館の目的は、科学情報へのアクセス向上、研究支援、図書館サービスの強化です。

Consorcio Colombiaについて

Consorcio Colombia は2017年に誕生した国家構想であり、現在、59の高等教育機関と3つの研究センターを統括しています。その主要目的の一つは、世界で最も名高い出版社5社によって出版された、最もインパクトの大きい科学的・学術的コンテンツへのアクセスです。また、国内のすべての地域において、格差の縮小および学術・研究プロセスの発展促進を目指す戦略的プロジェクトも実施しています。 

本件に関するお問い合わせ

宮﨑 亜矢子

シュプリンガー・ネイチャー

コーポレート・アフェアーズ

Tel: +81 (0)3 4533 8204

E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com

※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。

英語プレスリリース:Springer Nature continues to support open access in the Americas with its first Transformative Agreements in Latin America and Canada

英語プレスリリース(一覧)

最新のニュース一覧へ


Press releases 2024