【プレスリリース】シュプリンガーネイチャーの転換契約、現時点で全世界3,700以上の研究機関の研究者をサポート
出版社による転換契約の拡大により、オープンアクセスの大規模な加速に向けた公約を実現
ロンドン|ベルリン|ニューヨーク 2024年5月3日
シュプリンガーネイチャーでは現在、転換契約を通じ、6大陸、3,700以上の研究機関の研究者によるオープンアクセス(Open Access;OA)出版をサポートしています。拡大を続ける当社の転換契約(Transformative Agreement;TA)は、オープンアクセスへのグローバルな移行を加速させ、場所や資金を問わず、オープンアクセスによる出版を希望するすべての人がそれを実現できるようにするというシュプリンガーネイチャーの姿勢を明確に示すものです。
シュプリンガーネイチャーのChief Commercial OfficerであるCarolyn Honour(キャロリン・オナー)は、次のように述べています。
「転換契約は、オープンアクセスを急速に拡大し、大規模な移行をサポートすることにより、全世界の研究者がオープンアクセス出版というオプションを実行する可能性を高める最も効果的で持続可能な方法であることが実証されています。研究は、国際社会が直面している課題に対処し、それを解明するうえできわめて重要な役割を担っています。より多くの研究者がオープンアクセス出版を実施し、活用できることで、研究を一層強化し、研究へのアクセスを容易にし、その再利用を可能にします。同時に、世界で最も重要な問題に取り組む人々の手に研究を届けることを可能にする、より多様性に富んだ研究環境をサポートできるのです」
2024年第一四半期に開始された注目すべき契約は、次のとおりです。
- アジア全域における新規契約(台湾におけるシュプリンガーネイチャー初の契約など)、ならびに日本の比較的小規模な研究機関をサポートする新たな転換契約モデル(J-SPRINTA)への拡大。
- 欧州(マルタおよびトルコ最大の転換契約)、中東(イスラエル - MALMADおよびIUCC)、米国(Carolina Consortium、Lyrasis、NREL、OhioLINKおよびVIVA)における成長の拡大。
- NatureとNatureリサーチ誌に関するオーストラリアの大学およびノルウェーのSikt - Norwegian Agency for Shared Services in Education and Researchとの新規契約。
- 10年前にオランダと締結した当社初の転換契約の更新。
- ドイツのDEALと更新した契約にドイツの大学と高等教育機関の99%以上が参加。
- インドのDepartment of Atomic Energyとの新たな転換契約の締結。
現在、当社と提携している研究者は、いずれもオープンアクセスが実現する認知度と利用の拡大による恩恵を受けています。一方、各々の研究機関は、合理化されたオープンアクセスワークフローによるサポートを受けるとともに、研究のリーチとインパクトの強化による恩恵を受けています。
シュプリンガーネイチャーは、学術分野や場所、資金調達に関する状況を問わず、すべての研究者によるオープンアクセスの利用を可能にする持続可能な方法を真摯に探求し続けています。オープンアクセスとオープンリサーチに対する当社の公約に関する詳細については、オープンリサーチのページをご覧ください。
関連リンク:
- 転換契約:一般的には、論文の閲覧のために大学などが出版社に対して支払う費用を、論文出版のための費用(論文掲載料、APC;Article Processing Charge)へと段階的に転換させ、それによって論文のオープンアクセス出版の拡大を目指す契約のことを指します。
- オープンアクセス(OA;Open Access):研究成果が出版時に無料でアクセスすることを可能にするための一連の原則と実践方法。OAは、ジャーナルに掲載された論文や書籍などの研究成果をオンラインで無料で即時利用できるようにし、デジタル環境でフルに利用する権利を提供します。
- ハイブリッドジャーナル:購読型ジャーナルのうち、受理された論文をゴールドオープンアクセスで出版するオプションを著者に提供するジャーナル。オープンアクセスで出版する場合には、APCが発生します。
- ゴールドオープンアクセス(ゴールドOA):出版社のプラットフォームにおいて、論文や書籍をオープンアクセスで出版するルートです。ゴールドOAで出版された論文は、掲載後ただちにオープンアクセスとなり、プラットフォーム上にて無料で閲覧可能となります。ゴールドOAでは、原稿編集(コピーエディティング)や組版後の最終公開版(VOR;Version of Record)にアクセスできるようになります。ゴールドOAの出版は、論文掲載料(APC;Article Processing Charge)や転換契約によって賄われています。
- 論文掲載料(APC;Article Processing Charge):オープンアクセス(OA)の論文に対するAPCは、査読からコピー編集、専用サーバーでの最終論文のホスティングまで、出版プロセスのすべての段階においてさまざまなサービスをカバーしています。これに加えて、こちらの料金により、論文がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと、オープンアクセスで公開され、すべての読者がすぐに利用できるようになります。
出版にはコストがかかります。購読ジャーナルは、コンテンツにアクセスするための料金の徴収によって出版費用がカバーされています。ゴールドオープンアクセスのコンテンツは、どなたでも無料で自由にアクセスできるため、出版費用は論文掲載料(APC)によって賄われます。APCは、論文が受理されてから出版されるまでの間に支払われ、それぞれの出版社、ジャーナル、分野によってAPCが異なります。また、掲載料や出版料を学会などのスポンサーが負担することで、APCを徴収しないジャーナルもあります。APCには、論文全文への永続的、即時的かつ世界中からのアクセスの提供に加えて、下記が含まれます。- 編集作業:査読、管理サポート、コンテンツの委託、ジャーナルの開発。
- 技術的なインフラストラクチャーとイノベーション:オンラインジャーナルシステムやウェブサイトの開発、メンテナンス、運用。
- 論文の制作:論文のフォーマット、マークアップ(タグ付け)、インデックスサービスへの登録。
シュプリンガーネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガーネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャーポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。
詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。