[プレスリリース] 2023年、ネイチャー・ポートフォリオを拡張し、新たなジャーナル3誌を創刊
2023年1月、Nature Mental Health 、Nature Water 、Nature Reviews Bioengineering をネイチャー・ポートフォリオに追加
ロンドン｜ニューヨーク｜ベルリン 2022年3月18日
2023年に新たなNature関連誌3誌が創刊されます。今回の創刊は、出版社であるシュプリンガー・ネイチャーがネイチャー・ポートフォリオを通じて、研究コミュニティーのニーズを引き続き反映する取り組みとして行われるものです。Nature Mental Health 、Nature Water 、Nature Reviews Bioengineering は、学際的分野を対象とし、世界が直面しているいくつかの課題に影響を与え、最新の研究成果を発表する新たな場を提供するものとして、2023年1月に第1号を刊行する予定です。
今回創刊するジャーナルも、ほかのすべてのNatureブランドのジャーナルと同じく、専任の編集者チームが指揮を執り、一次研究論文と外部委託記事の慎重な選択と委託、公正で厳格な査読、正確な編集、迅速な出版、幅広い普及に関する業務を管理します。
Nature Mental Health とNature Water は、オープンアクセス（OA）とオープンサイエンスの推進に向けたシュプリンガー・ネイチャーの現在の取り組みの一環である転換ジャーナルとして創刊するものであり、OAへの完全移行を公約として掲げています。
Nature Mental Health は、厳密な方法論を用いて精神保健と精神疾患を解明する幅広い科学を対象としたテーマ性の高いジャーナルです。Rebecca Cooney（レベッカ・クーニー）を編集長とする同ジャーナルは、応用科学グループを拡大し、臨床や精神医学、心理学、公衆衛生に関する論文著者や研究者のニーズを満たすものとして、Natureブランドの一部を構成します。また、Nature Mental Health は関連分野を広い視野で捉えることにより、精神保健や精神疾患に関する高品質でインパクトの高い学際的研究の中核的存在となるべく、準備を整えています。
Fabio Pulizzi（ファビオ・プリッツィ）を編集長とするNature Water は、水資源と社会との関係性の変化に関連する研究のあらゆる側面を対象とするジャーナルです。同ジャーナルは、学際的研究の推進に対する強い関心のもと、水資源や技術革新、水管理、行動的側面など幅広いテーマの文献の掲載を通じ、水関連分野の学者や実務家をサポートします。
工学系では初のNatureレビュー誌となるNature Reviews Bioengineeringは、オンライン専門ジャーナルとして、応用や知識移転、技術を中心とするバイオエンジニアリングの全範囲を対象とする総説（review）や展望（perspectives）、コメント（comments）を掲載します。
Nature Reviews Bioengineering の編集長を務めるChristine-Maria Horejs（クリスティーナ・マリア・ホーレジ）は、「バイオエンジニアリングは急速に発展している学際的分野です。同分野には、工学や生物学、医学、化学、物理学、ナノテクノロジー、コンピューターサイエンスが関係しています。私たちは、生物を模倣し、変異させ、制御する材料やツール、方法、技術、デバイスの設計に関心を持つ科学者とエンジニアの関係を取り持つことにより、生物学的メカニズムを解明し、疾患を克服し、環境問題に対処していきたいと考えています」と説明しています。
Nature JournalのPublishing DirectorであるRuth Wilson（ルース・ウィルソン）は、今回の創刊について「Nature Mental Health 、Nature Water 、Nature Reviews Bioengineering の3誌の創刊を嬉しく思います。このジャーナル3誌を通じ、さまざまな見解を幅広い層に伝え、議論やディベート、ソリューションのためのプラットフォームを提供するとともに、研究の倫理的側面や社会的側面、産業的側面について考察するコンテンツを出版していきたいと考えています」と語っています。
「Nature Mental Health は、私たち全員にとって非常に重要な問題に関するコンテンツに研究者がアクセスし、共有する手段を増やしていくうえで、重要な役割を担うものとなります。また、科学の進歩が同分野にもたらすメリットを引き続き積極的に伝えることを可能にするものでもあります。さらに、Nature Water を通じ、国連の持続可能な開発目標に対する当社の取り組みをさらに強固なものとしたいと考えています。なぜなら当社では、世界で最も困難な課題に取り組んでいる研究者と、その知見から恩恵を受けることができる実務家との間の関係の構築を目指しているからです」
Natureレビュー誌初の工学に関連するジャーナルの創刊について、Wilsonは続いて述べています。「バイオエンジニアリング分野は、医学分野における画期的な進歩や生物学に関する新たな知見、ならびに持続可能性に関するコンセプトを実現する重要な要因となってきました。この事実は、インパクトの高い数多くの文献に反映されています。それにもかかわらず、同分野のコミュニティーには、いまだに専門のレビュージャーナルが存在していません。したがって、いまこそがNature Reviews Bioengineering を創刊する絶好のタイミングなのです」
上記の全3誌は、現在投稿の受付を開始しています。
備考
2023年創刊ジャーナルの詳細については、各ジャーナルの専用ウェブページをご覧ください： Nature Mental Health 、Nature Water 、Nature Reviews Bioengineering
Nature Water が掲載する研究分野の詳細は、Nature Water の論文コレクションをご参照ください。
ネイチャー・ポートフォリオの全ジャーナルのリストは、「About Nature Portfolio journals」のページをご覧ください。
シュプリンガー・ネイチャーは、1,700誌以上のジャーナルをTransformative Journals（TJ；転換ジャーナル）とし、すべての一次研究に対して、オープンアクセス出版のオプションを提供することを公約しています。私たちは、これらのジャーナルが完全にOAジャーナルに移行し、「Criteria for Transformative Journals」に詳述されている転換ジャーナルの要件を満たすように努めています。全タイトルリストは、Transformative Journalsからダウンロードいただけます。また、シュプリンガー・ネイチャーの転換ジャーナルに関する詳しい情報は、「Transformative Journals」からご覧いただけます。
用語解説
- オープンアクセスとオープンリサーチ：オープンアクセス（OA）とは、ジャーナル論文や書籍などの研究成果をオンラインで即時に無料で利用できるようにし、デジタル環境でフルに利用する権利も提供します。OAコンテンツはすべての人に公開され、アクセス料は無料です。オープンリサーチは発表論文の垣根を超え、データからコード、さらにはオープン査読にいたる研究成果すべてを対象とします。
- オープンサイエンス：オープンサイエンスとは、研究サイクル全体にオープンネスの原則を拡大し、可能な限り早い段階で共同研究を促進し、共有することです。これは、科学と研究のあり方を体系的に変えるだけでなく、より発見しやすく、使いやすく、効果的な研究システムをサポートし、知識の発見を発展させます。オープンサイエンスの中に、オープンアクセスとオープンリサーチを含みます。
- 転換ジャーナル（Transformative Journals）：購読型ジャーナルやハイブリッドジャーナルを完全なオープンアクセスに移行することを公約するジャーナル。
ネイチャー・ポートフォリオは、生命科学・物理学・化学・応用科学など多岐にわたる分野で高品質のジャーナル、オンラインデータベース、研究者を対象としたサービスなど、科学界への貢献を目的としたサービスから成るポートフォリオを提供しています。
1869年創刊のNature は、世界有数の週刊の国際科学雑誌です。さらに、ネイチャー・ポートフォリオは、Nature リサーチ誌とNatureレビュー誌をはじめ、オープンアクセスの主要な学際的ジャーナルであるNature Communications、Scientific Reports など、研究機関と学会の協力によるNature Partner Journalsも出版しています。これらのジャーナルには、世界で最も重要な科学的発見が掲載されています。
オンラインのnature.comには、1カ月当たり900万人を超えるユーザーが訪れ、Nature のニュース記事やコメント記事、そしてNature Careersなどの科学求人サイトにアクセスしています。また、ネイチャー・ポートフォリオは、オンラインおよび対面によるトレーニングや専門家による英文校正サービスなど、さまざまな研究者支援サービスも提供しています。
詳しい情報については、nature.comをご覧いただき、@NaturePortfolioのフォローをお願いいたします。ネイチャー・ポートフォリオは、シュプリンガー・ネイチャーの一部です。
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー（Springer）、ネイチャー・ポートフォリオ（Nature Portfolio）、BMC、パルグレイブ・マクミラン（Palgrave Macmillan）、サイエンティフィック・アメリカン（Scientific American）などの信頼されたブランドを有しています。
詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本（一部を除いて）は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース：Nature Portfolio to expand with three new journals in 2023
