【プレスリリース】シュプリンガーネイチャーとカリフォルニア大学、南北アメリカ初のNature関連誌のオープンアクセス契約の締結を発表
ニューヨーク、2022年7月27日
シュプリンガーネイチャーとカリフォルニア大学(University of California;UC)は、2020年に締結した画期的な契約の成功を礎として、権威あるNature関連誌で研究成果をオープンアクセス(OA)出版する選択肢を、UCの論文著者に提供することを発表します。
2020年の契約を拡充することにより、UCの研究者は、当初の契約に含まれていたジャーナルだけでなく、ネイチャー・ポートフォリオの出版誌に発表する場合にも、OA出版費用に対する財政支援を受けることができます。2021年には、このような資金調達共有モデルにより、シュプリンガー・ネイチャーのポートフォリオ(2200誌以上のハイブリッド・ジャーナルと500誌以上のシュプリンガー・ネイチャーの完全OAジャーナル)で出版されたOA論文数が3倍に増加しました。UCの研究者がSpringer Natureのジャーナルで発表したOA論文数は、2020年の400から2021年には1300に増加しました。今回の契約拡充により、UCが出版するOA論文の数は、2022年以降もますます増えていくでしょう。
今回の拡充契約の期間は、2022年8月1日〜2024年12月31日となり、Nature 、Natureリサーチ誌、Nature Communications と Scientific Reports も対象に含まれます。UCの学生、教職員、研究者は、現在機関購読しているネイチャー・ポートフォリオのジャーナルも引き続き閲覧できます。
シュプリンガー・ネイチャーのChief Commercial Officer、Carolyn J. Honourは、次のように述べています。「シュプリンガー・ネイチャーとUCとのパートナーシップは、今日まで非常に大きな成功を収めており、今回、米国初のNatureリサーチ誌での出版契約という形でこの協力関係を拡充できることをとても嬉しく思っています。2020年の画期的な契約の締結以来、UCが出版したOA論文数が既に3倍に増えていることから、私たちが共に、ゴールドOAへの移行を支えていること、そしてそれが全てオープンサイエンスの未来であることは明白です」
UCバークレー校の図書館員であり、Chief Digital Scholarship Officer、UCの出版社交渉チームの共同議長(co-chair)でもある、Jeff MacKie-Mason教授は、次のように語っています。「UCは、オープンアクセスの動向の中で、世界中の研究者や人々のためにリーダーシップを発揮できることに大きな喜びを感じています。今回の契約は、世界で最も尊敬されているいくつかの科学ジャーナルにおいて極めて重要な知識を公開し、現代における最も急を要する課題の解決に役立つことでしょう」
シュプリンガー・ネイチャーとUCとの契約は、資金調達共有モデルに基づいて構成されており、図書館予算と研究資金の両方を論文掲載料(APC)の支払いに活用することができます。当初の契約と同様に、UCに所属する責任著者による論文が契約対象になっているネイチャー・ポートフォリオのハイブリッド/OAジャーナルでの出版を受理された場合、UCの図書館は、APCの一部として自動的に1000ドルを支払います。APCの残りの部分の支払いは、論文の著者が研究資金から拠出することになります。
UCとシュプリンガー・ネイチャーは、学術領域、地域、資金調達に関わらず、全ての著者がより簡便で、しかも支払可能な費用負担でオープンアクセス出版を行うことができるよう協力して取り組むことをお約束します。
UCとシュプリンガー・ネイチャーが締結した包括的な出版契約では、2200誌以上のハイブリッド・ジャーナル、500誌以上のシュプリンガー・ネイチャーの完全OAジャーナルに加えて、ネイチャー・ポートフォリオに含まれる、Nature 、Natureリサーチ誌、Nature Communications と Scientific Reports および完全OA出版誌、それからPalgrave Macmillan ジャーナルが対象です。
シュプリンガー・ネイチャーは、現在、17の国レベルの契約に加えて、個別の学術機関との契約により、2650以上の提携機関の研究者によるOA出版を支援しています。これにより、年間4万1400以上のOA論文の出版が予定されており、これは他のどんな出版社よりも10%多い論文数です。昨年、当社は、100万件の一次研究論文およびレビュー論文をゴールドOAで速やかに出版した初めての出版社となりました。著者数では、約250万人の研究成果のOA化を支援したことになります。2022年6月に発表されたデータによれば、2021年にシュプリンガー・ネイチャーの転換ジャーナルでゴールドOA出版された研究論文数は、2020年よりも40%増加しました。
オープンアクセス転換契約は、UCの著者による研究論文のOA化を推進することにより、カリフォルニア大学の公立大学としての使命を支援し、持続可能なオープンアクセス出版に向けた世界的な移行を推進する取り組みです。また、ジャーナル価格を負担可能な水準に維持することができます。UCは、学術ジャーナル出版全体で横断的にオープンアクセスへの世界的移行を共に推し進めるため、あらゆるタイプ、規模、学術領域の出版社と提携しようとしています。その目的や原則について、詳しくは、UCのCall to Action for Negotiating Journal Agreements at UC(UCにおけるジャーナル契約交渉に向けた行動の呼びかけ)、UCの教職員のAcademic Senate's Declaration of Rights and Principles to Transform Scholarly Communication(学術コミュニケーション変革の権利・原則に関する大学評議会宣言)、UCのpriorities for publisher negotiations(出版者との交渉における優先事項)をご覧ください。
シュプリンガー・ネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要でロバストであり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャー・ポートフォリオ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
三木 律子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ritsuko.miki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。英語プレスリリースはこちらをクリック