[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャー、欧州全域におけるOA移行の推進を引き続き主導
イタリアと新たに転換契約を締結し、さらにオーストリアおよびオランダとの契約を更新したことにより、シュプリンガー・ネイチャーは欧州全域で最多となる国家レベルの転換契約数を誇り、2,650を超える加入機関の研究者にオープンアクセス出版を提供します。
ロンドン|ハイデルベルク 2022年2月23日
シュプリンガー・ネイチャーは本日、イタリアのNational Research Council(CNR;Consiglio Naionale delle Ricerche、イタリア学術会議)と転換契約を交わし、さらにAustrian Academic Library Consortium(オーストリア学術図書館コンソーシアム)およびAssociation of Universities in the Netherlands(VSNU;Vereniging van Universiteiten、オランダ大学協議会)との転換契約(TA;Transformative Agreement)を更新したことを発表しました。過去2カ月の間に発表された、政府の支援による初のエジプトにおける転換契約、カナダおよびラテンアメリカにおける初の転換契約とあわせて、シュプリンガー・ネイチャーは、すべての経済圏にわたり、持続可能なオープンリサーチを推進することへのコミットメントを示し続けています。これにより、ほかの出版社の2倍となる、2,650を超える加入機関の研究者によるオープンアクセス(OA;Open Access)出版が可能になります。
イタリア最大の公的研究機関であるCNRとの転換契約 は、シュプリンガー・ネイチャーにとってイタリアで2件目の契約となります。 今回の3年契約により、CNR の88 研究機関に所属する著者は、シュプリンガー(Springer)、エイディス(Adis)、およびパルグレイブ(Palgrave)の2,300を超えるハイブリッドジャーナルでOA出版が可能になるだけでなく、すべての定期購読ジャーナルのコンテンツに完全にアクセスできるようになります。
シュプリンガー・ネイチャーのDirector、Commercial Transition OAであるCaroline Nevison(キャロライン・ネヴィソン)は、CNRとの契約について次のように述べています。
「より多くの機関のために、当社は引き続きOA移行の促進に注力し、学術的な連携、発見可能性、有用性を大規模に支援します。科学的発見を進展させるという当社の方針と密接に連携するパートナーであるCNR との新たな契約により、イタリア全域にこのコミットメントを広げることができ、うれしく思います。この契約により、OA 出版をさらに推進させ、イタリアの研究者およびその研究成果に対する支援も強化できるでしょう」
イタリアにおける新たな契約に加え、2022年冒頭にはオーストリアおよびオランダにおける契約も更新しました。Austrian Academic Library Consortiumとの契約は2023年まで延長されることになり、7年目を迎える2022年は、新たに9機関が追加されます。VSNUとの契約は、2022年まで延長され、8年目に入ります。
シュプリンガー・ネイチャーのVice President、Institutional Sales EuropeであるDagmar Laging(ダグマー・ラギング)は、次のように述べています。
「シュプリンガー・ネイチャーが2014年に初の転換契約を 開拓して以来、この契約はOA への持続可能な移行を推進する重要な要素であることを実証してきており、一部の地域では国レベルでの転換を可能にしています。これらの協定は、オープンアクセスの持続可能な促進を通じたオープンサイエンス実現に対する世界共通の目標とコミットメントを示し続けています。科学的発見を発展させ、すべての人に現実の恩恵をもたらす鍵であると私たちが考える、真にオープンな未来に対するこのコミットメントを深めるべく、長年にわたるパートナーおよび新たなパートナーと引き続き協力できることをうれしく思います」
シュプリンガー・ネイチャーは、グローバルパートナーとの転換契約などのアウトリーチを通じて、分野、地域、資金に関係なく、すべての著者のOA出版をサポートし続けています。当社は、17の国家レベルの契約と機関契約により、現在2,650を超える提携機関の研究者のOA出版を支援しており、年間41,400以上のOA論文の出版が見込まれ、ほかの出版社よりも10%多く出版します。昨年は、ゴールド・オープン・アクセスの一次研究論文およびレビュー論文を100万本即時出版した最初の出版社であり、約250万人の著者の研究のOA化をサポートしています。
シュプリンガー・ネイチャーの転換契約に関する詳細は、オープンアクセスの機関契約のページをご覧ください。また、オープンサイエンスへのコミットメントとその原則に関する詳細な情報は、Opening up researchのページをご覧ください。
オープンリサーチに関する基礎や用語解説(日本語)は、「オープンリサーチとは?基本コンセプトと取り組み」をご覧ください。
定義:転換契約では、参加機関が、ジャーナル購読型(閲覧)アクセスとOA出版の費用(論文掲載料、APC:Article Processing Charge)を組み合わせられるようになっています。転換契約では、OAの費用と運営管理を行うだけでなく、著者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法も示しています。
解説:転換契約のもとでは、購読型アクセスとOA出版が、機関コンソーシアム全体で、1つの購読・出版契約にまとめられます。すなわち、当該コンソーシアムの参加機関の研究者は、「ゴールド」オープンアクセスモデルにもとづいて出版ができるだけでなく、購読型ジャーナルの論文にもアクセスできることになります。シュプリンガー・ネイチャーは、ほかの出版社に先駆けて、このような契約をオランダのVSNU(Vereniging van Universiteiten;オランダ大学協会)と2014年に初めて締結しました。この契約により、参加機関にとっても、所属研究者にとっても、OAの運営管理が容易になりました。さらに、より広範な研究者たちが、研究の発見性の向上、引用回数の増加、OAコンテンツの利用増加といった恩恵を享受できるようになり、OA資金が不足しているという問題をかかえる一部の研究領域では、その解決にもつながります(APCの一元管理により、参加機関に属する研究者なら誰でも、学術分野に関係なくOA出版が可能になります)。転換契約ではまた、研究者に対して、資金提供者のOA要件を順守するための簡単な方法を示しています。
シュプリンガー・ネイチャーは、オーストリア、オーストラリア、コロンビア、エジプト、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、イタリア、アイルランド、ノルウェー、オランダ、ポーランド、カタール、スイス、スペイン、スウェーデン、英国と国家レベルの転換契約を結んでいます。
シュプリンガー・ネイチャーのOAおよびオープンリサーチに関する取り組みについては、OAファクトシートおよびオープンリサーチのページをご覧ください。
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャー・ポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
National Research Council (CNR;Consiglio Nazionale delle Ricerche)は、イタリア最大の公的研究機関です。CNRのミッションは、国の産業システムの革新と競争力を促進するための研究を行うこと、国の研究システムの国際化を推進すること、新たな公共および民間のニーズに対して技術やソリューションを提供すること、政府およびそのほかの公的機関に助言を行うことである。
Austrian Academic Library Consortiumの「Kooperation E-Medien Österreich (KEMÖ)」は、会員を代表し、リソースの協調的管理を含め、電子コンテンツおよび電子メディアへのアクセス権の協調的取得を担っています。また、KEMÖ は、地域を超えたワーキンググループであるGerman Austrian Swiss Consortia Organisation(GASCO)、International Coalition of Library Consortia(ICOLC)やそのほかの関連利益団体など、海外の会員の代表も担っています。さらに、国内外のオープンアクセス構想に参加しています。Austrian Library Network and Service GmbH(OBVSG;Die Österreichische Bibliothekenverbund und Service GmbH)は、KEMÖ に対して運営面で支援するとともに、事務所を提供してます。
VSNU Association of Universities in the Netherlandsは、オランダの大学14校から構成され、政府、政界、市民社会組織との関係における会員の利益を管理しています。さらに、大学(全体での従業員数は約52,000人)での雇用条件に関して政府機関および従業員討論会との協議に参加する雇用主団体としての役割も果たしています。 まら、VSNUは会員向けに特定のサービスを提供しています。詳細につきましては、www.vsnu.nlをご覧ください。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース:Springer Nature continues to lead drive for OA transition across Europe