[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャー、オープンアクセスのさらなる推進に向けて、新しいOAジャーナルシリーズを立ち上げ
オープンアクセス(OA)最大手の出版社であるシュプリンガー・ネイチャーが新たに立ち上げるDiscover Journalシリーズは、著者サービスを向上させて、迅速なOA出版を可能にします。
ロンドン 2020年6月23日
シュプリンガー・ネイチャーは、完全オープンアクセス(OA)のジャーナルシリーズ「Discover」を立ち上げ、OAへの移行をさらに推進します。Discover シリーズでは、合理化した新しいOA出版プロセスを採用し、科学的発見の進展を助けるために質の高い研究への迅速なアクセスを支援することで、シュプリンガー・ネイチャーのOAへの取り組みをさらに拡充します。
Discover シリーズは、順次創刊する40に及ぶタイトルを通して、応用科学、物理学、生命学、医学、社会学など、幅広い分野のトピックスを扱っていきます。また、Discover シリーズは、著者の利便性に配慮した出版プロセスを採用し、シュプリンガー・ネイチャーの出版物として期待される高水準の研究公正を維持しつつ、投稿から7~10週間後の出版を目指します。さらに、本シリーズでは、仮説駆動型の研究を行っている著者を支援するため、全ポートフォリオにRegistered Reports[1](レジスタード・レポーツ)を採用して、再現性の問題や出版バイアスの問題にも取り組みます。
シュプリンガー・ネイチャーのPublishing DirectorのToby Charkin(トビー・チャーキン)は、本シリーズの刊行について、次のようにコメントしています。
「このDiscoverシリーズは、出版社のリソース、人工知能(AI)、ディープラーニングの技術を活用することで、投稿プロセスの合理化と短期間での出版を可能にします。本シリーズは、これに社内外の優秀な専門家による編集が組み合わさることで、著者に利便性の高い出版体験を提供します。当社は、研究コミュニティーに価値やサービスを提供するうえで、より効率的になるように努めており、本シリーズもその取り組みのひとつが実現したものです」
完全OAのDiscoverシリーズは、シュプリンガー・ネイチャーが現在有するNature Communications やScientific Reports などの約600タイトルを含む包括的なOAジャーナルのポートフォリオを補完するもので、Discover シリーズの立ち上げによって、シュプリンガー・ネイチャーが毎年出版している10万本以上のOA論文がさらに充実したものとなります。
シュプリンガー・ネイチャーのChief Journals Officer、Alison Mitchell(アリソン・ミッチェル)は、次のように話しています。
「当社は、20年間にわたってOAに取り組んできた先駆者として、また、OA最大手の出版社として、今後もオープンリサーチを推進してまいります。具体的な方法としては、OA移行に向けて積極的な役割を果たし、持続可能な出版ルートを開発し、OA書籍の刊行やDiscover シリーズなどのOAジャーナルシリーズの立ち上げなどを進めます。OA出版には、被引用数やダウンロード数の増加、総合的なインパクトの増大など、著者にとって具体的なメリットがあることが分かっています。当社は、Discover シリーズによって、著者が幅広い分野のジャーナルでOAのメリットを享受できるようにするだけでなく、そのうえで、シンプルかつ著者1人1人に合ったOA出版へのルートを通じてその経験を充実したものにすることを目指しています」
本シリーズの第1弾として本日創刊されるDiscover Sustainability は、サステナビリティー(持続可能性)に関連するさまざまな分野の研究結果を掲載する、OAコミュニティーに焦点を合わせた学際的ジャーナルです。Discover Sustainability は、「国連の持続可能な開発目標(SDGs;Sustainable Development Goals)」17項目全てに取り組む学際的研究および政策立案を支援することを目指しています。European School of Sustainability Science and Research[2]の創設者で、Discover Sustainability の編集長を務めるWalter Leal教授は、次のようにコメントしています。
「国際社会がSDGsの実践に取り組んでいる中、持続可能な開発に関連する問題を、真に包括的かつ全体的な方法で取り上げるという出版ニーズに応えていることから、Discover Sustainability の創刊は、非常に意義の深いものです」
Discover Sustainability の詳細はこちら、シュプリンガー・ネイチャーのOA戦略に関する詳しい情報はこちら、SDGsに対するシュプリンガー・ネイチャーの取り組みについてはこちらをご覧ください。
[1] Registered Reportsは、著者が実験を実施する前に、その根拠と方法を投稿して査読を受けることのできる仕組みです。査読に通った論文は、原則受理され、あらかじめ登録された方法論に従って実験が完了した場合、2回目の査読後に出版されることになります。Registered Reportsは、重視する対象を、研究結果から、提起されている学術的疑問や研究デザインの頑強性へと移すものです。Registered Reportsの目的は、質の高い研究がその結果のいかんを問わず出版されるようにすることであり、研究者は、科学的な透明性と再現性の向上に向けて、より積極的なアプローチを取ることができるようになります。また、著者は、実験デザインの査読を受けることで、実験開始前に専門家のフィードバックを受け、これに対応できる機会が得られるという利点もあります。
[2] Leal教授(BSc, PhD, DSc, DPhil, DL DEd)は、 European School of Sustainability Science and Research (ESSSR)およびInter-University Sustainable Development Research Programme(IUSDRP) の創設者で、Hamburg University of Applied Science (ドイツ)、Manchester Metropolitan University(英国)の教授職も務めています。
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティ全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャー・リサーチ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com/group をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
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※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。