[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャーとResearchGate、長期的なコンテンツ共有に関する提携を前進させる
試験的な運用段階での好評を受け、シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateは協力関係を拡充し、今後はシュプリンガー・ネイチャーのすべてのジャーナルに掲載された論文が、ResearchGateにも同時掲載されます。
ロンドン|ベルリン 2020年9月9日
シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateは、2020年第四半期から開始する、長期的なコンテンツ同時掲載に関する提携を進めることで合意しました。この提携は、2019年に始まった2段階の試験的運用の範囲を拡大するものであり、その評価は本日公開された白書に掲載されています。
この提携により、今後は、ジャーナルで正式に公開された(version-of record;VoR)論文コンテンツを、ResearchGateの出版物ページ(publication page)に直接掲載することが可能になります。権限のあるユーザーは、過去5年間のシュプリンガーのジャーナルおよび過去3年間のネイチャー・リサーチのすべてのジャーナルに掲載された正式版の論文を、ResearchGateでダウンロードして閲覧することができます。これらのジャーナルで新しく出版される論文は、公開されるたびにResearchGateのプラットフォームにも掲載されます。権限のないユーザーでも、メタデータ、抄録、図表、見出し、最初のページの全文を含む拡張された要約を、ResearchGateで閲覧することができます。高品質な研究を出版するシュプリンガー・ネイチャーの専門知識と、何百万人もの科学者を対象としたResearchGateのオンラインプラットフォームとを結び付けることで、両社は、サービスを提供するコミュニティーに対し、シームレスで充実した体験を提供することを目指しています。
シュプリンガー・ネイチャーのChief Publishing and Solutions OfficerであるSteven Inchcoombe(スティーブン・インチコーム)は、次のように述べています。「研究者たちは、協力関係の構築やネットワーク作りのためにプラットフォームを活用しています。今回の提携は、そうしたプラットフォーム上へコンテンツを直接掲載でき、それによって著者の方々の成果の発見されやすさと認知度を高めることができるという素晴らしい事例です。試験的運用段階で、図書館員、研究者、著者の皆さまにとって多くのメリットがあることが示されており、今回、この成功をさらに推し進めることができうれしく思います。専門領域は異なるものの、同じ目標を持つ2社が協力することで、研究者が自身の必要とする論文にアクセスできると同時に、他の研究者たちとの関わり合いを最大化できるシームレスな体験をサポートできると確信しています」
シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateがコンテンツ共有の試験的運用を開始したのは、多段階認証プロセスを効率化する方法、コンテンツへのシームレスなリモートアクセスを可能にする必要性、研究者が自身の研究と最も関連性が強く信頼性の高い研究を見つけられるようサポートする方法など、多くの課題に対応するためでした。
本日公開された白書「Researchers at the Centre(研究者を中心に据える)」によると、両者の提携は、著者、研究者、図書館員のユーザーエクスペリエンスの向上につながる複数のメリットをもたしました。
試験的運用段階で得られた主な調査結果
- 権限の識別を強化:ユーザー権限の有無がより簡単に識別されることで、読者はシームレスなリモート認証を活用できるようになりました。
- 組織の識別:権限のあるユーザーは、どの図書館が購読を通してコンテンツにアクセスできるかを、明確に知ることが可能になりました。
- 発見されやすさを改善:正式版(VoR)の論文を閲覧できるようになり、著者版の論文と並行して、前後関係の中で研究者同士と議論できるようになりました。
- 著者からの好意的なフィードバック:ResearchGateとシュプリンガー・ネイチャーの提携について、著者の9割が、「良い」、あるいは「非常に良い」と回答しました。
- 利用の増加:ResearchGateのプラットフォームで掲載されたコンテンツのダウンロード数は、さまざまなタイトルのジャーナルで、0.6〜19.5%増加しました。
ResearchGateの共同設立者で最高戦略責任者のSören Hofmayerは、次のようにコメントしています。「シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateは、両社がサービスを提供する研究者への支援体制の向上を目指して、このコンテンツの同時掲載に関する試験的運用を共同で開始しました。両社は、多くのことを学ぶことができ、本日合同で発表する白書を通して、この取り組みの成果を共有できることを大変うれしく思っています。これを機に、学術コミュニケーションのエコシステム内に新たな協力者が加わって、研究者たちをより良く支援するための技術革新が続くことを期待しています」
シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateの提携による試験的運用段階の評価の詳細については、白書「Researchers at the centre: content discoverability, visibility and access(研究者を中心に据える:コンテンツの発見されやすさ、認知度、アクセス)」をご覧ください。
[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャーとResearchGateは、共同で行っている論文共有の試験的運用を拡張(2019年7月11日)
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティ全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャー・リサーチ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com/group をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
ResearchGateは、研究の効率化を目指しています。1800万人以上の研究者たちが、Researchgate.netを利用して他の研究者とつながり、最新の研究を共有、発見し、キャリアアップを図っています。ResearchGateは、医師のIjad Madisch博士とSören Hofmayer博士、およびコンピュータスペシャリストのHorst Fickenscherが2008年に立ち上げ、ドイツ・ベルリンに本拠地があります。科学分野における人材募集と広告を提供することによって、その活動をサポートしています。同社の使命は、科学の世界をつなげ、研究をすべての方々にオープンにすることです。詳細については、www.researchgate.netをご覧ください。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コミュニケーションズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
Dan Noyes
ResearchGate
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。