[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャー・グループ、OA論文100万本達成を祝し、持続可能な開発目標の支援として10,000本の植樹活動に資金提供
ロンドン|ニューヨーク|ベルリン 2021年12月7日
研究および教育出版を手がけているシュプリンガー・ネイチャーは、OA(オープンアクセス)論文出版100万本を業界で初めて達成したことを記念し、今年から来年にかけ、インド北東部にあるKhashi Hills(カシ山地)で10,000本(従業員1人あたり1本)の植樹活動に資金提供すると発表しました。
シュプリンガー・ネイチャーにとって、持続可能性の重要性を示すために選択されたこの活動は、C Levelおよびカシの10の先住民族コミュニティーで構成されるSynjuk(連盟)と提携しながら実施されます。なお、Synjukは、生態系を再生し、保護することを目指すコミュニティー・プロジェクトのための世界有数の標準、Plan Vivoに認証され、成功裏に運営されているプロジェクトにおいて、すでに84の村落が参加されています。
地球規模の課題に取り組み、国連の持続可能な開発目標(SDGs;Sustainable Development Goals)を実現させるうえで不可欠である知識と学習へのアクセスをさらに推進するというシュプリンガー・ネイチャーの基本目標において、OAとオープンリサーチが重要な鍵を握っています。この重要なOA論文数の節目を達成したことをふまえ、同社は、生物多様性を改善し、気候変動の局所的影響に対処し、持続可能なコミュニティーを構築することを目指すプロジェクトに直接投資することにしました。
メガラヤ州の雲霧林は、カシ族の居住地ですが、現在急激な森林破壊の脅威にさらされているため、樹種の絶滅、住民の生活の破壊、大量の炭素の放出を招いています。
このプロジェクトは、同地域村落にある10の先住民族カシ政府と共同で取り組むことによって、森林破壊や生物多様性の喪失に対抗するもので、同時に農村家族の貧困に対処するものでもあります。原産の樹種は、地域の女性が運営するコミュニティーの苗木植林場で育てられており、インド初の地域密着型REDD+プログラム(持続可能な林業を推進する国連のプログラム)であるカシ山地の広域プロジェクトにおける特別な取り組みの一環として植樹が行われます。
シュプリンガー・ネイチャーの最高経営責任者(CEO)であるFrank Vrancken Peeters(フランク・ブランケン・ピーターズ)は、次のように述べています。
「OA論文100万本という重要な節目を達成したことは、本事業に携わるすべての人がここまで到達するために懸命に努力した証といえます。そこで、関わった人たちの尽力を称えると同時に、より持続可能な未来を築いていこうという全体の熱意をふまえ、約10,000人のスタッフ1名に対し、木を1本ずつ植樹することにしました。当グループ従業員の約20%はインド在住ですので、インド国内のこのように美しい地域のプロジェクトを支援できることを光栄に感じています」
「出版活動を通じて、SDGs支援に関わっています。SDGsに関連するシュプリンガー・ネイチャーの出版物の半分以上はOAであり、その割合はこれからも増えていくと見込んでいます。また、出版対象の研究からも学習し、学んだ内容にもとづいて行動してまいりたいと思っています。このプロジェクトの目的は、気候変動に関する活動、生物多様性、カシのコミュニティーを支援することにあります」
Khasi HillsのREDD+ プログラムでConservation DirectorであるTambor Lyngdoh氏は、次のようにコメントしています。
「植樹活動は、カシ族の伝統的共同体森林を復活させ、気候変動を抑制することに役立ちます。鳥や野生生物が戻り、小川は清流になり、木と森が、未来への新しい望みをもたらしてくれます」
「カシ山地は、インド北東部にある独特の地域で、自然や野生生物の価値に対する昔ながらの信仰が地域内の住民に行きわたっています。今回のこの新しい提携関係が、この特別な場所を保護し、気候変動のこれ以上の影響を予防するための新たな支援、エネルギー、意欲につながることを期待しています」
備考
1. 持続可能な開発目標との関連性を含め、Khasi Hillsプロジェクトに関する詳細については、Plan Vivoのウェブサイトでご覧いただけます。
また、Khasi Hillsプロジェクト全体に関する紹介動画は、
でご覧いただけます。
プロジェクトの詳細は、次のとおりです。
- 10,000本の苗木を植え、これを将来の「母樹」として育て、持続可能な長期的再生森林生息環境を作るための種子源とします。樹種は、生物多様性と野生生物にとって非常に価値が高いクリ、オーク、シャンパカなど、固有の多様性を持つ(地域的な)キーストーン種とします。
- 持続可能性と持続性を向上させる個別の技法を使用します。このプロジェクトは、生物多様性とコミュニティーの利益に対する高度な観察から得るところがあります。
- 植樹は、2022年を通じて、女性のマイクロファイナンス・グループが実施します。
2. このプロジェクトは、C LevelおよびそのWild Alignedプログラムと提携して計画してきました。シュプリンガー・ネイチャーは、2019年からC Levelと協力し、炭素バランスの実現という目標をサポートするプロジェクトを特定しています。カシ山地コミュニティー・プロジェクトは、C Levelを通じて、植樹活動および関連するコミュニティー活動について報告する予定です。詳細は、C Levelのウェブサイトをご覧ください。
C Level FounderであるDaren Howarth氏は、次のようにコメントしています。
「植樹して森を回復したいのであれば、Plan Vivoの自然保護重視(pro-nature)、人重視(pro-people)方式によりすでに森林回復実績をもつコミュニティーと協力する以上の方法はありません。このカシ山地のプロジェクトは、感動的なものです。カシ族は、「雲の上」を意味する「メガラヤ」州の山岳地帯に住み、最も強力な母系制文化の1つを残しており、神聖な森林のネットワークを維持しています」
3. シュプリンガー・ネイチャーのオープンアクセスに関するおもな統計データ
- 2016年以降、研究論文が累計26億回ダウンロードされている。
- 論文は、世界中のほぼすべての国でダウンロードされ、南極でもダウンロードされている。
- 持続可能な開発目標(SDG;Sustainable Development Goals)のコンテンツは、非OAコンテンツに比べて、OAコンテンツの方が大きな割合を占める(67%多くOAで出版されている)。また、OAで出版されたSDG研究は、SDGではない研究のOA論文に比べて、より多くダウンロードされ、引用される。
4. シュプリンガー・ネイチャーは、2017年に環境パフォーマンスと社会的パフォーマンスに関する最初の報告を出してから、大きく前進してきました。
- 当社の直接事業において、2020年にカーボンニュートラルを達成。
- 世界中のオフィスで、エネルギー使用量を減少させ、グリーン電力を購入。
- 製品のプラスチック包装を最小限にしている。
- 12の国にまたがる120人以上の社員で構成された、社内「Green Office Network(グリーン・オフィス・ネットワーク)」を設立。
- 出版社として初めてThe Climate Pledgeに署名し、Business Ambition for 1.5°CのScience Based Targetsの設定に携わる。
シュプリンガー・ネイチャーは、研究者、教育者、臨床医、その他の専門家に発見への扉を開きます。当社の出版物、書籍、ジャーナル、プラットフォーム、およびテクノロジーソリューションは、世界中で毎日何百万もの人々に届いています。175年以上にわたり、当社のブランドとインプリントは、これらのコミュニティーに信頼される知識の源となっております。今日では、これまで以上に、これらの人々が基礎的な知識にアクセスし、それらの研究を信頼し、理解し、利用できるようにすることが当社の責任であると考えています。それによって、研究者がより良い成果を創出し、前進し、後に続く世代の恩恵となるよう努めています。
詳しい情報は、group.springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。