[プレスリリース] 科学の秘密を明らかにする–Nature Awardsが科学への認識を高めることを目的とした新しいコンペティションを開始
Science in Shortsのコンペティションは、ネイチャー・ポートフォリオのジャーナルに出版された論文著者が自身の研究を短い独創的な動画で表現することで、その研究内容をより多くの人に知っていただくことを目的としています。
ロンドン|ニューヨーク|ダルムシュタット 2021年11月16日
科学は、私たちの社会において極めて重要な役割を果たしています。しかし、多くの場合、科学がもたらす真の影響と価値を伝え、把握し、理解するというのは難しいものです。そのため、複雑な理論やデータ、実験を抽出し、身近で触れやすいものにするという課題があります。
Science in Shorts(サイエンス・イン・ショーツ)は、Nature Awards(ネイチャー・アワード)とシュプリンガー・ネイチャーがメルク社と共同で新たに実施するコンペティションです。このコンペティションでは、科学者が自身の研究に人々が触れるための機会を増やすため、科学者がそれぞれの研究の要点をまとめた短い独創的な動画を制作することを促し、一般市民と科学との関わり合いを生み出すことを目指しています。
シュプリンガー・ネイチャーのVP PublishingであるRichard Hughes(リチャード・ヒューズ)は、「科学コミュニケーションの難しさはよく知られていますが、その重要性はますます高まっています。このコンペティションでは、科学と一般市民との間のギャップを埋め、科学者が自身の研究を正確でわかりやすい方法で共有し、より多くの人たちの共感を得られるようにすることを目指しています」と語りました。
さらに、Hughesは、市民との関わり合いについて次のように補足しています。「今回の動画は、すべての人を視聴対象としています。魅力的な1分間の動画を作成し、それを複数のチャンネルで共有したり、再利用したりすることで、社会における科学の役割、研究の背景にあるストーリー、なぜそれが重要なのか、そしてそれが私たちの生活に与える影響について、Science in Shortsが会話のきっかけになることを願っています。また、私たちは皆さまと一緒に楽しみたいと思っています」。
科学を周囲から隔絶させている壁を壊し、一般市民の注目を集めるため、応募者*にはそれぞれが相応しいと思う方法で各自の研究を紹介する60秒の動画を作成していただきます。強い関わりを生み出し、独創性に優れている動画ほど、高い評価が与えられます。2022年7月には、応募された動画のなかから上位10作品を候補作として選定します。候補作として選定された作品には、それぞれ5,000ユーロが授与されます。また、それぞれの動画をnature.comとYouTubeで公開します。候補作の選定は、ネイチャー・ポートフォリオ全体から選抜された編集者と報道記者、映像作家、研究者、コミュニケーション専門家による学際的なチームが行います。また、一般市民による投票を実施し、最終候補作の中から「People’s Choice」受賞作を選定します。
Merck KGaA(ドイツ、ダルムシュタット)Vice President of InnovationのUlrich Betz氏は、「Science in Shortsキャンペーンの最終候補作の発表は、次回の『Curious2022 Future Insight Conference‐United by science for a better tomorrow‐(より良い未来に向けた科学による団結)』の目玉のひとつとして、科学コミュニケーションの重要性を強く訴えるものとなるでしょう」と語りました。
シュプリンガー・ネイチャーは学術出版社として、科学コミュニティーとの協力のもと、研究者がそれぞれの研究を周知させ、身近で触れられるものとし、認知度を高めるためのサポートを提供することを公約として掲げています。当社では、Science in Shortsを含む一連のアワードを通じ、それぞれの研究がもたらす影響を研究者が周知させるための支援を行うプラットフォームを提供し、変化の推進に向けた証拠にもとづくアプローチを拡大することにより、この公約の範囲をさらに広げたいと考えています。当社の公約に関する詳細については、こちらをご覧ください。
応募方法
応募の詳細については、Nature Awardsのウェブサイトをご覧ください。
*当コンペティションには、2020年11月1日から2021年11月1日までの間にネイチャー・ポートフォリオのジャーナルに出版された論文著者であれば、筆頭著者や責任著者であるかに関わらず、どなたでも自由に応募することができます。応募資格の対象となるネイチャー・ポートフォリオのジャーナルの全リストについては、こちらをご覧ください。
応募期間は、2021年11月15日(月)から2022年2月28日(月)までとなります。
ネイチャー・ポートフォリオは、生命科学・物理学・化学・応用科学など多岐にわたる分野で高品質のジャーナル、オンラインデータベース、研究者を対象としたサービスなど、科学界への貢献を目的としたサービスから成るポートフォリオを提供しています。
1869年創刊のNature は、世界有数の週刊の国際科学雑誌です。さらに、ネイチャー・ポートフォリオは、Nature リサーチ誌とNature レビュー誌をはじめ、オープンアクセスの主要な学際的ジャーナルであるNature Communications、Scientific Reports など、研究機関と学会の協力によるNature Partner Journalsも出版しています。これらのジャーナルには、世界で最も重要な科学的発見が掲載されています。
オンラインのnature.comには、1カ月当たり900万人を超えるユーザーが訪れ、Nature のニュース記事やコメント記事、そしてNature Careersなどの科学求人サイトにアクセスしています。また、ネイチャー・ポートフォリオは、オンラインおよび対面によるトレーニングや専門家による英文校正サービスなど、さまざまな研究者支援サービスも提供しています。
詳しい情報については、nature.comをご覧いただき、@nresearchnewsのフォローをお願いいたします。ネイチャー・ポートフォリオは、シュプリンガー・ネイチャーの一部です。
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャー・ポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
ドイツのダルムシュタットのMerck KgaA(メルク社)は、大手サイエンス・テクノロジー企業として、医療、ライフサイエンス、機能性材料の分野で広く事業を展開しています。約5万8000名の従業員は、喜びにあふれた持続可能な生き方を創造することにより、数百万人の生活によりよい変化をもたらそうと、日々取り組んでいます。同社の活動領域は、遺伝子編集技術の研究開発から難病に対する独自の治療法発見、各種デバイスのインテリジェンス開発まで多岐にわたります。2020年の売上高は、66カ国で175億ユーロです。
当社は「Merck」の名称と商標に関する国際的な権利を全世界で保有しています。ただし米国とカナダについては、Merckのヘルスケア事業部門が「EMD Serono」、ライフサイエンス事業部門が「MilliporeSigma」、機能性材料事業部門が「EMD Performance Materials」の社名で事業を展開しています。1668年の設立以降、当社では科学的探求と責任ある起業家精神を重要な要素として、科学技術の進歩に向けて邁進してきました。今日にいたるまで、創業者一族が上場企業である当社株式の過半数を引き続き保有しています。
米国およびカナダに居住している場合、詳細についてはEMDgroup.comをご覧ください。それ以外の地域に居住している場合は、MERCKgroup.comをご覧ください。
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース - Lifting the lid on science - Nature Awards launches new competition to improve scientific awareness