【お知らせ】シュプリンガーネイチャーのオープンアクセスに関する最新のファクトシート(2024年3月版)を公開
シュプリンガーネイチャーのオープンアクセスに関する実績を示すファクトシートの2024年3月版を公開しました。
2024年5月7日(2024年6月14日更新)
シュプリンガーネイチャーは、2024年末までに当社のすべての一次研究の半数をオープンアクセス(OA;Open Access)にすることを目指しています。OAとは、研究成果が出版時に無料でアクセスすることを可能にするための一連の原則と実践方法です。OAは、ジャーナルに掲載された論文や書籍などの研究成果をオンラインで無料で即時利用できるようにし、デジタル環境でフルに利用する権利を提供します。
シュプリンガーネイチャーは、20 年以上にわたって、オープンアクセス(OA)の価値とインパクトを強く支持してきました。OA によって出版された研究は、研究者および社会にとって明確な恩恵をもたらしています。OA によって、研究の利用、リーチおよびビジビリティー(認知度)の向上とともに、世界的な問題に取り組み、対処する能力を有する人々の手に必要とする研究コンテンツを届けることができます。私たちは、完全OAのジャーナルポートフォリオ、新たなOAモデルおよびゴールドOAに焦点を当てたハイブリッドジャーナルへの転換に引き続き注力していきます。
オープンアクセスの効果:
- OA論文および書籍を出版することで、研究のビジビリティーと利用が向上し、研究者のキャリアアップを支援します。
- OA論文および書籍は、以外のコンテンツよりも多くダウンロードされます。
- OAは、研究をオープンにし、社会的課題に取り組むために誰もが利用できることを保証します。その結果、新型コロナウイルスのワクチンのような科学的発見から、社会はより早く恩恵を受けることができるようになります。
ゴールドOAとは、出版社のプラットフォームにおいて、論文や書籍をゴールドオープンアクセスで出版するルートです。原稿編集(コピーエディティング)や組版後の最終公開版(VOR;Version of Record)です。ゴールドOAで出版された論文は、掲載後ただちにOAとなり、プラットフォーム上にて無料で閲覧可能となります。ゴールドOAでは、原稿編集(コピーエディティング)や組版後の最終公開版にアクセスできるようになります。ゴールドOAの出版は、論文掲載料(APC;Article Processing Charge)や転換契約によって賄われています。
また、ハイブリッドジャーナルとは、購読型ジャーナルのうち、受理された論文をゴールドOAで出版するオプションを著者に提供するジャーナルです。OAで出版する場合には、APCが発生します。OA論文に対するAPCは、査読からコピー編集、専用サーバーでの最終論文のホスティングまで、出版プロセスのすべての段階においてさまざまなサービスをカバーしています。これに加えて、こちらの料金により、論文がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと、OAで公開され、すべての読者がすぐに利用できるようになります。出版にはコストがかかります。購読ジャーナルは、コンテンツにアクセスするための料金の徴収によって出版費用がカバーされています。ゴールドOAのコンテンツは、自由に利用できるため、費用はAPCによって賄われます。APCは、論文が受理されてから出版されるまでの間に支払われ、それぞれの出版社、ジャーナル、分野によってAPCが異なります。また、掲載料や出版料を学会などのスポンサーが負担することで、APCを徴収しないジャーナルもあります。APCには、論文全文への永続的、即時的かつ世界中からのアクセスの提供に加えて、下記が含まれます。
- 編集作業:査読、管理サポート、コンテンツの委託、ジャーナルの開発。
- 技術的なインフラストラクチャーとイノベーション:オンラインジャーナルシステムやウェブサイトの開発、メンテナンス、運用。
- 論文の制作:論文のフォーマット、マークアップ(タグ付け)、インデックスサービスへの登録。
転換契約とは、一般的には、論文の閲覧のために大学などが出版社に対して支払う費用を、論文出版のための費用(APC)へと段階的に転換させ、それによって論文のOA出版の拡大を目指す契約のことを指します。転換契約は、すべての学問分野と規模においてOAに移行するための、最も実績のある、持続可能で公正な方法です。私たちは、国家・準国家および機関契約により、3,500以上の機関の研究者を支援しています。
Creative Commons BY(CC BY;クリエイティブ・コモンズ(表示))ライセンスとは、利用可能なライセンスのなかで最もオープンなものであり、OAに関する業界の「最高基準」であると考えられています。また、多くの資金助成機関からも推奨されています。CC BYは、原著者としての自身のクレジットを表示することを条件として、営利目的も含め、他者による自身の研究の配布や再編、調整、それを基盤とした研究を認めるものです。それにより、ライセンスを取得した資料の普及と利用を最大限に強化します。OAオプションを提供しているシュプリンガーネイチャーのジャーナルは、すべてCC BYライセンスを提供しており、現在ではシュプリンガーネイチャーの完全なOAジャーナルの大多数で既定のライセンスとされています。さらに、OA書籍やOAチャプターに関しても、CC BYが既定のライセンスとされています。ほかのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスについては、リクエストに応じて提供しています。
当社のOA論文および書籍に関する実績、転換契約およびオープンサイエンスを推進する活動につきましては、当社の最新のファクトシートをご覧ください。
PDFファイル:OAファクトシート(英語版:Open Access Fact Sheet)
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